剪定の方法

伸びた枝の剪定

伸びた枝の剪定のイメージ

伸びた枝先をカットするとそこからより強力な枝が育ってきます。再び切られないよう前よりも太くて強力な枝になろうと蘇ってくるのです。剪定した直後は切り口も揃っており見事な仕上がりだと思われるのですが、すぐに猛烈な成長で復活してくるのであまり良いお手入れとは言えません。しばらくしたらまた同じ箇所を選定することになるでしょうが、そんなことを何度も繰り返すとその部分は太さを増してきます。植物的には「このパワーでは負けてしまうのか、ならば次はもっと力強い枝で対抗して伸びてやろう」となり、一歩も退かずに何回も挑んでくるのです。結果短くて太い枝が増えて不恰好な樹形になるので、小手先だけの剪定は長い目で見るとあまり良策とは言えません。樹形が悪くなるだけでなくほかの部分に栄養が回らなくなってしまったり、病害の危険も増加するのでやってはいけないことになるでしょう。不要な部分があったら枝の根元からバッサリ落とさないと、また同じ箇所に今度はより逞しくなって復活してくるのです。その都度カットしていては手間もかかりますし、トータルで見ると伸びた部分だけをカットする素人っぽい方法のほうが多くの手間と労力と時間を注ぐことになります。業者に依頼すると時間をかけて作業する、とお考えの方も多いのですが、実はその逆で将来の手間を省いているのです。

刈り込み

伸びた箇所だけ刈るのは良くないと説明いたしましたが、全ての庭木に当てはまるわけではなく場合によっては採用される剪定方法です。生垣だと丸っぽくなるように樹冠全体を刈りますし、四角っぽくする手法をとるケースも少なからずあるようです。大きな公園や遊歩道では歩行者の通り道に沿って生垣が植えられていますが、可愛らしく整枝されており見る者の心を和ませてくれます。だいたい散歩する人の目的のひとつに「草木を愛でる」というのがあるので、人の歩きそうな場所の生垣は愛でやすいよう形状を整えるほうがいいのです。個人の庭園や生垣も通行人が目にしますし、なにより住民が毎日のように目をやる部分なので可愛らしく樹形を整えたほうがいいに決まっています。肥料をやったり水撒きをしたりといったお世話も当然ですが、ミョーンと飛び出した枝をカットしてやることも生垣タイプの庭木には欠かせないのです。必要に応じて根元から何本か切り落とすこともありますが、基本は表面の刈り込みがメインになるかもしれません。表面だけを整えていると内部で密集した枝が多くなりすぎて成長の邪魔をする輩も発生してくるからで、全体的な成長を考えると何本かは落としたほうが良いとされますが、生垣の場合は表面の樹形を最優先させるでしょう。その次に肥料をやったり枝を根元から落とすなど専門的な作業をする順番になります。

剪定する枝の種類

ではどんな枝を落とすべきか、枝の種類について解説していきます。大きな立ち木で説明しますが、真っ先に剪定すべきは地面に近い位置から生えてきた胴吹き枝になるのでこれはメモしておいてください。枝はわりと自由に生えてくるので、「ここに枝は不要だ、見た目も良くないし」と思える幹から突拍子もなく伸びてくる場合があります。そんな枝が根元に近い位置に生えてくると、上部の隅々まで栄養が届かなくなるので早めに落としてしまいましょう。せっかく肥料を与えてやっても根っこで吸収された養分が間近の胴吹き枝に行ってしまい、遠くの枝の先々までしっかり届かないのです。なのでヤゴ、懐枝など樹木の根元付近の枝葉最優先で剪定しましょう。次に横ではなく上向きに伸びていく立ち枝、何を思ったのか幹方面に戻るように逆走する逆さ枝を見つけたら剪定してやりましょう。樹形を大きく損なうので優勢順位は高いです。何本かの枝が絡み合うからみ枝、交差枝も見た目がよろしくありませんので剪定の対象になりやすいやんちゃ者です。地面に向かって伸びる下がり枝も同じ理由でカットです。このように剪定すべき枝は何パターンかありますが、植木の種類によってもカットする枝や方法が変わるケースもあるので、細かいことは植木屋さんに教わりましょう。